「技術」だけでは生き残れない。NSTS(ネスティス)が提案する、“ネイリストの武器”を育てる新しい教育とは!?
「技術」だけでは生き残れない。そう語るのは、ネイリスト歴30年の田代法子さん。現場で本当に求められる“即戦力”を育てるために立ち上げた教育・評価システムであるサロンワーク検定「NSTS(ネスティス)」(※特許出願中)が、今注目を集めている。ネイルを職業として確立する、その挑戦の真意とは。
「現場から生まれた教育システム」
「ネイリストって、感覚やセンスに頼る部分が大きい職業なんです。だからこそ、“技術の可視化”が必要だと感じてきました」
現場での豊富な経験に裏打ちされた言葉には、説得力がある。
NSTSは、ネイルを「芸術」ではなく「職業」として成立させるための新たな基準づくりに挑戦している。その原点は10年前、中国でのコンサルティング経験にあるという。
「グローバルな視点で見ると、日本のように『テーブルのここに置いたら減点』という試験方式は非常に珍しいんです。アメリカでのライセンスを学んだ際、“ネイリストは世界共通の職業”だと実感しました」
「技術だけでなく、接客や衛生管理も教育の一環に」
NSTSの試験では、マシンオフ、フィルイン、ワンカラーの塗布といった、実際のサロンで求められる技術に重きを置いている。それらは単なる技術ではなく、安全性や時間管理も含めた「プロとしての基礎力」として評価される。
さらに、接客やカウンセリング、衛生管理といった「プロとしての基本」もカリキュラムに組み込まれており、土台からしっかりと築くことで、現場で信頼される人材を育てている。




「キャリアを積んでも見直せる“スコア制”」
NSTSのもうひとつの特徴は、TOEICのようなスコア制の導入。
「経験を積むほど“慣れ”が出て、技術が雑になってしまうこともあります。でも、それを客観的に見直す仕組みは少ないですよね」
年に数回の再評価制度により、ベテランネイリストでも常に自身の技術を見直し、質の維持に努めることができる。スコアは技術力の証明として採用時の評価基準にも活用でき、多くのサロンで重宝されている。


「即戦力を育てる、実践的な試験」
試験時間は65分。課題は、サロン現場で即戦力となる技術やアートの再現力が中心。
「目標が明確になることで、新人の成長スピードが上がります。入社後1ヶ月で試験を受けるスケジュールにすることで、“何を習得すべきか”がはっきりします」
実際、NSTSを研修に導入したサロンでは、新人が短期間で即戦力として活躍している。
「安全性と倫理観も同時に育成」
「ネイルは見た目以上に人体への影響が大きいため、安全性を軽視してはいけません」
ジェルアレルギーや著作権問題といった、見落とされがちなリスクもNSTSでは教育の一環として取り上げる。
「最近は、大学や医療機関と連携して安全な製品を開発するメーカーも出てきています。こうした取り組みも多くの人に知ってもらいたいですね」
「業界の矛盾を乗り越える、新たな武器」
ネイル業界には、“就職してから一から育てる”という矛盾が根強くあります。NSTSは、就職前にサロンワークを習得し、即戦力として活躍できる人材を育てる仕組みです」
このシステムにより、サロン側は育成効率を高め、現場の力を強化できる。ネイリスト一人ひとりが“自分の武器”を持ち、業界全体が成長できる未来を目指す。
「私たちは、業界の未来を変える新たな一歩を踏み出しています」
現場に立ち、指導を続ける田代さん。その眼差しは、未来のネイリストたちの可能性を見つめている。

田代 法子(たしろのりこ)/ ネイリスト・NSTS代表
Profile
ネイリスト歴30年。ネイル黎明期から業界の進化とともに歩んできた第一人者。アメリカでネイリストライセンスを学び、中国企業でのコンサルティングも経験するなど、国際的な視野を持つ。現場経験をもとに、日本の教育制度で不足しがちな「即戦力」と「基礎力」を養う教育・評価プログラム「NSTS(特許出願中)」を立ち上げ、全国のサロンやスクールから支持を集めている。「ネイルはアートであり、同時にサービスでもある」という信念のもと、次世代ネイリストの育成に力を注いでいる。

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