高校を辞めた直後、偶然口にした「ネイル」という一言から、azuさんの人生は動き出した。
スクールには通わず、ネイルサロンへ足を運び、施術を見て、覚え、友人の爪で実践する日々。20歳で自宅サロンを始め、24歳で自身の店舗をオープンした。
千葉・本八幡で人気サロンを築き上げた彼女が、次なる舞台として見据えているのは、東京・渋谷。
偶然始まったネイルを、自らの力で“運命”へと変えてきたazuさん。その原点と、これからの野望を聞いた。
何げなく口にした「ネイル」が、すべての始まり
千葉県習志野市で育ったazuさんは、幼い頃から明るく、負けん気の強い子どもだったという。
スポーツが得意で、足も速く、いつも自然と周囲の中心にいるタイプ。「私が一番」という感覚も、当時からどこか当たり前のように持っていた。
そんな彼女がネイルと出会ったのは、高校を辞めた直後のこと。
周囲から将来について聞かれた時、ふと目に入ったマニキュアをきっかけに、勢いで「ネイル」と答えた。その何げない一言が、人生を大きく動かすことになる。
「ネイルのことなんて、全然知らなかったんです。でも、ネイルをしに行くことは好きだったので。言ったからにはやらなきゃと思って、すぐにドン・キホーテやメルカリで道具を集めました」
深く考えて決めた道ではなかった。それでも、一度口にしたからには動かずにはいられない。その行動力は、今のazuさんにも通じている。
スクールに通わず、サロンで技術を“見て習得”
最初に挑戦したのは、スカルプチュアだった。
当時はスクールに通う余裕がなかったため、azuさんはさまざまなネイルサロンへ足を運んだ。自分の爪を施術してもらいながら、ネイリストの手元をじっくりと観察。使っている商材や施術工程を、目と記憶に焼き付けていった。
写真に残すのではなく、記憶で持ち帰る。ブランド名を覚え、同じ商材を探して購入する。
その独学の積み重ねが、ネイリスト・azuの原点となった。
もちろん、最初からうまくできたわけではない。
友人に施術をしては「下手」と言われ、完成してもすぐに取れてしまうこともあった。それでも、人の爪を借りて練習することをやめなかった。
チップだけで練習するのではなく、実際の手に施術する。人に施術しなければ、本当の技術は身につかない。azuさんはそう信じていた。
1日4人、朝から深夜まで。圧倒的な施術量が技術を育てた
20歳頃、azuさんは自宅サロンをスタートした。
当時の客単価は5000円。超ロングのスカルプチュアも、現在では考えられないほどの価格で提供していたという。
それでも、お客さまが来てくれること自体が何よりの経験になった。
朝から深夜まで、1日に4人を施術。ほとんど休みを取らず、ひたすら目の前のお客さんと向き合う日々を送った。過労で体調を崩したこともあったが、その圧倒的な施術量が、azuさんの技術を確実に磨いていった。
「下手でも何でも、お客さまに施術していかないとうまくならないと思っていて。今もスタッフには、練習台になってくれる人を見つけて、とにかくやりなさいと伝えています」
失敗を恐れるよりも、経験を重ねる。考える前に動き、施術の中で答えを見つけていく。それが、azuさんの成長スタイルだ。
5000円から2万円へ。それでも離れなかったお客さん
技術の向上とともに、施術価格も少しずつ上がっていった。
5000円から1万円、1万5000円、そして現在は2万円へ。
価格を上げても、お客さんは離れなかった。自宅サロン時代から通い続けている人もいるという。
支持されているのは、確かな技術だけではない。
迷いなく前へ進む勢い、印象に残る人柄、華やかで力強い世界観。azuさん自身が放つエネルギーもまた、ファンを惹きつけている理由のひとつなのだろう。
24歳で本八幡にサロンをオープン
24歳になると、azuさんは千葉・本八幡に自身のサロン「nail salon azu」をオープンした。
スタッフも増え、店舗は順調に成長。美しいフォルムと持ちの良さを兼ね備えたスカルプチュア、長さを活かした華やかなデザインは、地域の枠を越えて支持を集めている。
若くしてひとつの成功をつかんだazuさんだが、その視線はすでに次の場所へ向けられている。
次なる目標は、渋谷への店舗進出だ。
流行が生まれる渋谷で、もっと有名になりたい
azuさんが渋谷にこだわる理由は、明快だ。
インフルエンサーや感度の高い人たちが集まり、新しい流行が生まれる街で、自分のネイルをさらに広げたい。
もっと有名になりたい。もっと多くの人に知ってもらいたい。「azuにネイルをしてもらっている」と言われる存在になりたい。
その野心を、彼女は隠さない。
「私は自分が大好きなので、もっと私を見てって思うんです。ネイルでもっと“すごい”って言われたい。ネイリストで天下を取りたいです」
率直で、潔く、迷いがない。
かつて何げなく「ネイル」と口にした少女は今、明確な意志を持って、さらに大きな舞台へ進もうとしている。
偶然始まったネイルが、自分を輝かせる“運命”になった
azuさんにとってネイルは、自分を輝かせてくれた存在だ。
何もできないと思っていた自分に、初めて「これだ」と思えるものを与えてくれた。追い込まれた時にこそ力を発揮し、一度決めたら、動かずにはいられない。
その衝動と行動力が、彼女をここまで連れてきた。
偶然始まったネイルは、努力と経験を重ねるうちに、かけがえのない“運命”へと変わった。
本八幡から渋谷へ。
若くして人気サロンを築き上げたazuさんの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

Nail Art
azuさんの代名詞ともいえるロングネイル。お客さまからのオーダーもロングスタイルが中心で、長さを活かしたフォルム、立体的なパーツ使い、きらめきの重ね方まで、指先全体で魅せるデザインが支持を集めている。
華やかで大胆でありながら、全体のバランスは緻密。一度見たら忘れられない、圧倒的な存在感を放つ。

Profile
azu
「nail salon azu」オーナーネイリスト。美しいフォルムのスカルプチュアを得意とし、爪の形や状態を見極めながら、一人ひとりに合わせた丁寧な施術を提供している。
美しい仕上がりと持ちの良さに定評があり、華やかで個性あふれるデザインにも多くのファンが集まる。写真は愛猫のchowちゃんと。
Instagram
@nailsalon__azu
@nailsalon__azu.hina
@nailsalon__azu.ss
@nailsalon__azu.nao
Photo_Haruka Studio
Interview_Daisuke Udagawa(M-3)

