子供の頃は、母親の爪にマニキュアを塗ることが好きで「キレイになって、喜ばれる」、そんな瞬間が嬉しかった。ネイリストになってからも、多くの人達を喜ばせてきた。
現在は社会貢献にも積極的。月に何度か施設へ訪れ、お年寄りや障がいのある方たちにネイルを施す。動機は「喜んでいただけるから」。今回のゲストは、そんな福祉ネイリストとしても活躍する長尾あやさん
「喜んでいる姿がキレイ」そんなシーンが見たい
幼少の頃からネイルに興味があった。中でも自身の爪よりも母親の爪に塗ることが好きで、毎回キレイになって喜んでいる姿に惹かれたという。高校卒業後は地元のネイルスクールへ通い、卒業後は都内のビューティサロンへ就職。すぐに現場を任され、ネイルからエステ、マツエク、脱毛なども担当した。
「人手不足もあったせいか研修などもままならないまま、いきなりお客さまを任されました。当時はそれが当たり前だと思っていたので、なんとかこなしていたと思います。特にクレームになるような事もなかったです(笑)。今思うとそこである程度の度胸がついたような気がします」
都内で2つのサロン勤務を経て、20代半ばで独立。地元静岡県沼津市にサロン「elmo」をオープン。ここは都心へのアクセスが良く、海や川に近く富士山を望むことができる好立地なエリア。「おかげさまで、東京からの常連さんも多くいらっしゃいます」とオープン時からサロンは順風満帆に。
転機が訪れたのは、2018年頃。何か新しいことをしようと認定講師試験に挑戦。合格すると活動の幅が一気に広がった。
「認定講師のお仕事があったり、コンペに出るようになったり、そんなことを続けていくうちにネイリスト同士の交流が増えていきました。情報の交換や悩みを共有できるなど、今までにはない有意義な時間が生まれました」
4名のネイリストで「スマイルフットラボ」を設立
その頃、知り合ったネイリストの遠山あさ美さん、植田里美さん、飯塚真美さんらと「スマイルフットラボ」を設立。現在、福祉やフットのトラブル対策に特化したセミナーを各地で開催している。
「今年の4月には、静岡県内では初となる日本保険福祉ネイリスト協会の認定校となりました。現在は月に1 ~ 2度ほど施設へ訪れて、お年寄りや障がいがある方達にネイルを施すという活動をしています。爪にトラブルがある人たちをサポートしたり、キレイにしてあげたり。皆さん、本当に喜んでくださって、その表情がとても美しいんです。今ではそんな姿を見るのが楽しみで、自分でも驚くほど積極的に活動しています」
そんな長尾さんに今後の展望を伺うと。「現在、キャンピングカーの購入を検討中。それを使って移動式のネイルサロンを開きたいです。お年寄りの方々の中には、少しでもお出かけをしたいと望んでいる方も多くいらっしゃいます。そんな方達の側までキャンピングカーで伺い、ほんの少しのお散歩を楽しんでいただく。そして海や山まで移動してから、ネイルを楽しんでいただく。これが実現できたら、今よりもっと喜んでいただけると思っています。これからも、そんな方達に必要とされるネイリストになりたい。そして同じ志を持ったネイリストをもっともっと増やしていきたい、と考えています」
※長尾さんの「3種の神器」「2023年ヒットアート」の詳細は、現在発売中の『NAIL VENUS』(2024_Winter)でご覧になれます。
▪️Profile
ながおあや/静岡県出身。18歳の頃よりネイルスクールへ通う。スクール卒業後は、都内のサロン勤務を経て20代で独立し、地元静岡県沼津市にサロン「elmo」をオープン。最近ではスクール講師業と並行して福祉ネイルの活動を積極的に行う。
▪️Salon Data
elmo/静岡県沼津市高島町10-32 サンビルドI.S 101
TEL:0120-74-175 @naileyelash.elmo
Photo&Text_Daisuke Udagawa(M-3)